1950~2024年、田舎生まれの体験記など

タコ引きその2

 竹竿にタコ糸やテグスを付けて、その先にイイダコ用のテンヤ(錘と一体となった針、エサの替わりに真っ白な磁器を付けられていた)をぶら下げた仕掛けで、岩場や砂地に膝くらいまで入りながら、タコをおびき寄せる釣り方である。夏の終わり頃から秋口頃の大潮時期の数日、朝と夕方の2回できた。潮が引いてから満ち潮に変わるタイミングが釣り時だった。

 1回、2時間程度のタコ引きで、多い時は30匹以上釣れていたと思う。釣ったタコは、針金に差して腰からぶら下げていた。帰ってから洗って醤油で煮て食べた。

 夏の最初の時期は小さかったが、次第に大きくなっていた。ただし、大きくなると釣れにくくなったように思う。

 よく釣れていたので、あまり釣りをしなかった直ぐ下の弟もタコ引きはしていた。大人もしていたと思うが、子供もかなりいた。少しでも良い場所に移動して、その日そのポイントでは最初に釣るようにしなければ良い釣果が望めなかったが、他の人との駆け引きで露骨にはできなかったと思う(私はしていた)。

 私の田舎では、開発が進み、潟の埋め立が進んだ影響か、海を挟んだ対面に造船所などができたせいか(本当のところは私には分からない)、今は、イイダコそのものがいなくなり、やっている人はいないと思う。

タコ引きのイラスト(下手くそでごめんなさい)
タコ引きの様子

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