1950~2024年、田舎生まれの体験記など

大ケガ事件

 「あつ!」と思った時は遅かった。

 僕は、石積の岸壁の上から、潮が引いていたダンべ川に落ちた。高さは、4~5mくらいあったと思う。

 まだ小学校に上がる前の頃だったと思うが、1軒隔てた家に住んでいた二つ上のO君と、岸壁すれすれの場所を肝試しで歩いて遊んでいたのだ。

 僕は、下に落ちて気を失うことはなかったが、状況は良く理解できなかった。

 その後、集落中の大騒ぎとなった。日曜日だったのか父親も飛んできた。岸壁の上にどのように引き上がられたかの記憶はないが、左足の付け根の部分を切ったようだ。多分、川底に落ちていた陶器のカケラかガラスの破片が原因だったと思われる。

 傷口を縫う必要があったと思われる。病院は陸路では5km程度離れたところに在った。歩けないし、僕の集落には車の通る道路はなかったし、島には自動車がなかったかも知れない。リヤカーに乗せて病院まで運ぶのは大変だったと判断されたようだ。

 僕は気が付くと伝馬船の上にいた。伝馬船に乗せて海を渡って病院まで運ぶのが良いとの判断のようだった。もちろん、父親が同行していたが、どなたが伝馬船を漕いでくれたか不明だ。

 病院の直ぐ下まで伝馬船で行き、岸壁を引き上げられて診察を受け、何針かお尻近くの足の付け根を縫った。入院はしなかったと思うが確かではない。

 今でもその傷跡が残っているが、集落の連携プレイのお陰で事なきを得た。

ケガをして病院まで船ではこばれたルート。
船で病院まで運ばれた(グーグルマップ使用、未だ車が通れるような道路もなかったし、車もなかった)
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