1950~2024年、田舎生まれの体験記など

カニ突きその2

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 小学校の高学年から中学生頃の夏休みは、カニ突きが恒例行事だった。大人は夜ぼりといって、カンテラを下げて夜の海岸沿いを歩いて、カニを網ですくうかモリで刺していたと思う。子供達は、昼間、海岸沿いを泳ぎながらカニを見つけてモリで刺して獲っていた。獲れるカニはガシャガニと呼んでいた。ネットを見てみると「イシガニ」と呼ばれている種類のように思われる。甲羅や足がウスムラサキに見え、足が長い方のカニは、私の田舎「ワタリガニ」と呼んでいて、泳いているのを見つけることは偶にはあったが、水中を素早く泳いていることが多かったので子供には獲れなかった。

「イシガニ」も私には2種類あるように思われる。小~中サイズのものは、石の上、石の隙間などに居て、特に巣みたいなものはなかったので、泳いている中途で見つかることが多かった。大きいものは、色が全体に赤黒く、爪が太くなって岩の下の砂地部分に自分の巣を持っていた。巣の出口に砂を盛り上げているので巣があることは分かりやすく、毎年同じ場所にそのような巣があった。

 突き方としては、手製の一本鉾をまっすぐな竹竿の端に付け、片方にゴムを付ける水中鉾というものを操って突いていた。鉾は太い針金を焼いてから叩いて伸ばし、ヤスリでモドラズを作っていた。ゴムは自転車の古タイヤを切ったものが、一番威力があって良かったと思う。時にはゴム紐を束ねたものを使っていた場合もあったと思う。こちらは威力が十分でなかった。

 岩の上の獲物は上から甲羅を突き、大物の巣の中に居るものは、潜って口の辺りを狙って刺していた。

 一度に、小さいものを入れて10匹程度獲れる時があった。食べ方としては、塩ゆでであった。私が言う「ワタリガニ」よりもガシャガニの方が身が締まっていて美味しかったと思う。

 私の田舎では、イイダコ、ナマコ、タイラギなどと同じように、いつも間にかいなくなってしまい、大人も漁をしていないように思われる。

ガシャガニ(イシガニ)の写真が無かったのでネットより引用させていただいた。
イシガニ(江奈湾干潟生きもの図鑑より引用)
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