『ロビンソンクルーソー』や『宝島』のことを書いたら、『十五少年漂流記』も読んで感動したはずだと思っていた。しかし、タイトルはもちろん頭に残っていたが、内容はほとんど記憶に残っていなかった。しかも、『失われた世界』、『地底旅行』、『海底二万里」、『八十日間世界一周』、『月世界旅行』などなどの空想科学小説の草分けのジュール・ヴェルヌが少年向けに書いた唯一のものとされているのに。
ーーーということで、「新潮文庫の波多野完治氏翻訳」で読んでみた。なお、作品は1888(明治21)年に書かれたとされている。
これが、予想以上に興味深かった。興味深った理由をいくつ上げてみる。
①ニュージーランドのオークランドの小学校の夏休みの旅行で、親たちがニュージーランド沿岸の船旅を子供たちに経験させようとしたことが、漂流の切っ掛けであったこと(別の記事に書いているが、オークランドは家族旅行で行き、港周辺を散策した。その時、ここが『十五少年漂流記』の漂流の始まりの場所だよと、息子に教えたかったがしていない。きちんと読んでいなかった証拠でもある)。
②最年長は、14歳のゴードンであるが、その下のリーダー役の「ブリアン」とライバルで頭の良いとされる「ドノバン」との繰り返される衝突と最終的な和解(和解のシーンはぜひ読んでご確認を)。そして、ブリアンの弟「ジュリアン」のいたずらが漂流の原因で、ジュリアンが一人で悩み続け・・・。
③食料調達の様々な方法の紹介、特に、鳥類、魚、動物を狩る様子。厳しい冬を乗り越えるための工夫の内容。そして、年長者が年若い少年たちを守る姿。
④最後には、上陸してきた大人の悪党たちとの闘いで生き残ること。
そして、本の最後の章には、「なんであれ困難に直面した時に、勤勉、勇気、思慮、熱心の四つがあれば、少年たちでも必ずそれに打ち勝つできる」という教訓まできちんと書かれている。
自分の孫に限らず、少年少女たちに手に取って欲しいと素直に思える一冊である。子供の頃、もっとしっかり読んでおくべきだったと今、思っている。
なお、原題は、「二年間の休暇」である。
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