『失われた世界』は、「シャーロックホームズを主人公にした一連の作品」で有名な「アーサー・コナン・ドイル」の作品である。発表されたのは、1912(明治48年)とされている。
私は、抄録版を小~中学校時代に読んだ。
一番印象に残っているのは、アマゾンの奥の高地(ギニア高地がモデル)に、探検隊の4人ーーー語り手の新聞記者・マローン、チャレンジャー教授(探検の言い出しっぺ)、サマリー教授(チャレンジャー教授のライバル)、そして探検家のロクストン卿ーーーに登った最初の夜に野営場での出来事である。
安全確保のため、棘などを使って防護壁を作り、その中で焚火をしながら野営するのだが、そこへ肉食竜(ティラノザウルスとは書いていない)が襲ってくるのだ。
銃とかは持っていたが、とても銃では防げないような怪獣である。
4人の中で最も探検の経験を持つロクストン卿が、焚火の大枝を持ち、恐竜の目の前に突き付けて撃退するのだ。私が当時読んでいた抄録版では、このシーンの挿絵があった。
この勇気ある行動のシーンが、その挿絵とともに、今でも記憶に残っている。
私の記憶に近い挿絵がネットにあった。ネットは凄いが、どの本の挿絵かは分からなかった。
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今、「創元SF文庫の中原尚哉訳」で読み返してみると、このシーンの他にも当時あまり印象に残っていなかった様々なシーンが印象的である。例えば
①探検隊の忠実に黒人ザンボの存在
②恐怖の猿人とインディオの存在と両者の戦い
③探検隊が助けた「インディオの酋長の息子」が帰り道を密かに教えてくれたこと
④翼手竜(プテロダクティルス)の子供をロンドンまで持ち帰り、疑われた「失われた世界の存在」を認めさせたこと
⑤・・・・・・・・・
数え出したら切りがない。
時間が許せば、ぜひ読んでみてください。
私の、少しばかりの「冒険心」を育てた一冊である。