1950~2024年、田舎生まれの体験記など

芥屋での体験ーー誰かが背中を押してくれたーー

二見ヶ浦や野北などは、北東風が強い時や日本海の台風などの大きな低気圧が発生している場合など、一定の条件がそろわないと、良い波が入らない。
ただし、芥屋ポイントは、糸島半島周辺では、最も波が立ちやすいポイントであり、パワーも一番だと思う。ただし、潮が満っている場合は、小波の場合は、波が割れないかショアブレイク程度となる。

人気のポイントなどで人が多いので、私はもっと奥の芥屋の大門方向にある下水処理施設の前辺りによく入っていた。処理施設の直ぐ前は、50~60㎝程度の石がゴロゴロしており、サーフボードで倒れると危ない。そんなこともあり人が少ない。

芥屋のポイントと処理施設の前の間は、石もなくきれいな砂地になっている。消波ブロックからルアー釣りをしている人を見かける場所だ。小~中波程度の波が入っていたのでそこで練習していたが、体が疲れていたせいか、テイクオフもままならないような調子の悪い日だった。

初めて間もない頃だったので、テイクオフできればそれだけでも喜んでいた頃だった。長く乗ったり、横に行けなくても良い。波に乗れれば満足できるころだったがそれもあまり上手く行かなかった。

何度も何度もテイクオフにトライした。その日はもうくたびれてあきらめそうなになっていた瞬間、急に背中から誰かに押されたような感触を覚え、テイクオフができボートと体が前に進んだ。

本当に誰かに背中を押してもらっていると思えた。練習を続ければ良いこともあると思えた日だった。
何となく、カーペンターズの『クロスツゥーユー(遥かなる影)』の歌が思い出された。歌詞では、誰かが背中を押しているなどとの中身ではないが、「みんながあなたと近づきたいと思っている」といった歌詞が少しだけ、その時の気持ちに通じていた。

ついでにもう一つ、オフショアの素晴らしい条件の波乗りの時、ボードに乗ったまま、波が割れる瞬間に、ごく短い時間だが「虹」が見える時がある。そんな時は、近々良いことがあるのだと思え、良い気分になれることが多かった。

いずれにしても、ボディーボードの後は、いつも体は疲れていたが、心は元気になっていた。

芥屋は、二見ケ浦と並ぶ、糸島半島のメインポイント。
芥屋のメインポイント(波がほとんど立っていない日。それでもサーファーがいる)

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