大口海岸で良い思いをしたの後は、大口海岸に通うことが多くなった。
糸島やサーフィンのことを知っている人ならお分かりと思うが、秋から冬になり、北東の風が強く吹き出すと、大口海岸は波は大きくなるが、オンショアの条件に近くなり、きれいなウネリにはならない。

それでも大きな波が立つので、私は喜んで入っていた。多少水面が波立っていても、大きな波は刺激的だった。サーファーも多くはなかった。

ある日、ヘトヘトになって海から上がり、車をいつもの伊牟田の交差点と異なり、西ノ浦方面を回って福岡市の方へ帰ろうと思い、東側に進めた。今のサンセット道路を時計回りに進めたのだ。

驚いた。サーファーがたくさん入っている場所があった。そして、波の条件が素晴らしく、風の影響が少なく、水面は鏡のようで（グラッシー）で、形の良い、しかもサイズもある波が入っていた。

大口にサーファーが少ない理由が分かったし、何よりも、「こんなにきれいなウネリが入る場所があるのだ」ということが分かったことは大きかった。

それから、北東の風が強い日は、もっぱら二見ヶ浦に通うようになった。
まだ、その頃は、小道に入ると駐車も簡単だった。

そして、二見ヶ浦では、当時既に有名になっていたと思われるが、一段と目立つ「K女子の完璧に近いボディ―ボード」も見るようになった。
ビデオで見た「スピン」や「エルロロ」などの技の他、サーファーより早くテイクオフして、波の上を踊るように滑っていく姿は恰好良いと思った。

私は、数年後にはスピンはできるようになったが、エルロロはついにできるようにならなかった。