1950~2024年、田舎生まれの体験記など

雪ノ浦・大野海岸ーー私のワイメアとウイッチズ・ロック

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日本海側は、春が過ぎると急に波がなくなる。特に梅雨時になり、南から風が吹くようになると、南西からのウネリが少しだけ入ることもあるが、基本的には、サーフィンができるような波はなくなる。

そんな頃、コロニーサーフさんから「雪ノ浦」(長崎県西彼杵郡西海町)を教えてもらった。福岡の若い人は、この季節になると、宮崎を目指す。しかし、宮崎までは私にはあまりに遠すぎる。
雪ノ浦へは、実家近くの伊万里市や高校生活を過ごした佐世保市の手前の早岐を経由するので馴染みやすかった。

ご存じの方も多いと思うが、雪ノ浦海岸は、丘の下に湾が広がっており、私は勝手にワイメアベイと呼んでいた。雪ノ浦川の河口になっているが、平らな岩盤の場所が川の出口の100m程度のところにあり、ウネリが小さい時でも、潮が引けば、そこで波が割れる。もちろん、台湾沖から東シナ海を台風が北上する条件などでは、満潮時でも波が割れる。そして、グーフィー(陸に向かった左側に波が割れていく状況)のメローな波ができる場合が多かった。もちろん、台風の影響が大きい時は、メローどころではなくなる。

私は、梅雨から夏の初めの頃、特にボディボードを始めた頃、よく言った。
カーブを曲がり、雪ノ浦のポイントが見え、割れている波を確認した時は興奮していた。

潮の条件などで波が割れていない時は、大野海岸まで車を走らせた。大野海岸の浜は砂地ではなく、こぶし程度の石がゴロゴロの場所だ。波が大きい時は、その石同士が当たって大きな音が出る場所だった。

そして、もう一つ、雪ノ浦からは見えなかった「大角力」の岩がよく見えた。私は、勝手に、この岩を『ウイッチズ・ロック」と呼んでいた。『エンドレスサマーⅡ』に出てくる、コスタリカの岩に見立てていた。

もうひとつ、雪ノ浦には思い出がある。波が割れていないので、ビーチで潮が引くのを待っていた時、男の子に話し掛けられた時があった。「大丈夫ですか?」、そんな風に私を心配そうに話し掛けてくれたのだ。
私は、その頃、余程、寂しそうな表情をしていたらしい。

でも、話し掛けられて嬉しかった。良い思い出である。

雪の浦ポイントの位置図
雪ノ浦の位置図(グーグルマップ使用)

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