1950~2024年、田舎生まれの体験記など

竹鉄砲遊び(ハゼまけ)

記事内に広告が含まれています。

 竹鉄砲は、子供のけんか遊びなどに使っていた。

 メダケを切ってきて、筒部分と押し棒部分を作り、木の実や新聞紙を丸めた玉を空気の力で打ち出すのだ。空気が漏れると上手くいかないので、新聞紙は水に濡らしてから丸めていた。そんなには遠くには飛ばないので危なくはないと思っていたが、相手に当たるとこっちの勝ちである。

 新聞紙の他に、おそらくクスの実を使っていたと思う。クスの実は集落の中心部などに大きな木があったので、そこで拾えた。硬い実を採るためには木に登った方が良かったが、木が大きすぎて登っては採れなかったと思う。

 ある日、集落の子供たちがかなりの人数集まって竹鉄砲合戦をやった時だと思う。良い玉がなかったので、誰かが、クスの実と違う木の実を持ってきた。少し細長かったが何とか使えたので、その実を使って遊んだ。結構、盛り上がったと思う。

 明くる日のことである。

 「かゆい。顔や腕はものすごくかゆい」

 母親にかゆいことを訴えた。自分でも鏡で顔を見てみた。顔が赤く腫れていた。最初は理由が思いつかなかった。

 しばらくすると、母親が他の子の親と連絡しているように思えた。他の子も顔や腕が腫れているとのことであった。

 「昨日は何して遊んだの?」

 「竹鉄砲」

 「玉はどうしたの?」

 「木の実を使った。クスの実と違うやつ」

 「ハゼの実を使った?」

 僕は、その時まで、ハゼにかぶれるということは何となく知ってはいたが、昨日使った実がハゼの実とは知らなかった。

 集落のかなりの子が、みんな顔などが腫れたということであった。

 薬を塗ってもらって何とか治った。

 今でも、ハゼノキには近づかないようにしているし、ハゼの実には絶対触らない。

竹鉄砲の写真がなかったので、原賀さんの本(ふるさと子供グラフティ 新装版)より引用させていただいた。
竹鉄砲(原賀隆一:ふるさと子供グラフティ 新装版 クリエイト・ノア刊 より引用。
    原賀さんのこの本には、昔遊びに関する素晴らしいイラストと説明文章がある。)
タイトルとURLをコピーしました