1950~2024年、田舎生まれの体験記など

影響を受けた本・大学時代の頃、その6・ヘミングウェイ『ニック・アダムス物語』

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ヘミングウェイの短編では、『大きな二つの心臓の川』が有名な短編の一つと思われる。この短編に出てくる主人公が「ニック・アダムス」である。

「ニック・アダムス」を主人公にした短編を一冊の本にしたものが『ニック・アダムス物語』である。

ニックが5,6歳の頃と勝手に推測する最初の短編が『三発の銃声』である。父親たちと森へ泊りがけでの狩猟に行くが、キャンプ地に留守番で一人残るが、怖くなって、まさかの時の合図の銃声を打つというお話である。「Ⅰ北部の森」に入っている。

ニックの成長に合わせて、短編は、「Ⅰ北部の森」「Ⅱひとり歩き」「Ⅲ戦争」「Ⅳ帰郷」「Ⅴ連れだって」に分かれている。
冒頭に述べた『大きな二つの心臓の川』は、「Ⅳ帰郷」に入っているが、戦争で傷ついたニックが、ふるさとでマスを釣って場所を訪れてキャンプしながら「マス釣り」をして、傷をいやすというお話である。

最初の方に出てくる「川に架かる鉄橋の上から川底にいるマスの姿」を観察するシーンは好きだ。小さいころ、自分の家の前の小さな川にいるハゼを見つけていた頃と少し重なる。

他にもたくさんの好きなシーンがあるが、「豆とスパゲッティの料理を作るシーン」「そば粉のパンケーキを作るシーン」「良い型のマスを釣り上げるシーン」などが好きだ。

この『大きな二つの心臓の川』のほか、『最後のふるさと』『上陸前夜」などなど、良い短編が入っている。

なお、有名な短編は、文庫本の短編集にも含まれているので、そちらを読んでも十分と思う。

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