1950~2024年、田舎生まれの体験記など

小さい頃の海・山遊び

ため池でのフナ釣り

「あっ! ウキが少し動いた」  僕は、今日は家から少し離れた隣の集落にあるため池に来ていた。春も盛りに近づいてきており、海では、メバルも釣れる季節になっていたが、メバルは、餌にモエビなどが必要で難しかった。その点、ため池 […]

葦が生えていたクリークでのフナ釣り

 僕の田舎では、昔から遠浅の海岸を埋め立てて田んぼを広げていたと思われる。  この海岸近くの田んぼ域では、海岸の堤防に水門があり、その水門に一番近い部分は、汽水域の池や溝になっていた。ここには、塩分濃度が濃いせいか植物は […]

真珠貝・チュウチュウ貝・マガリ獲り

   春、大潮で潮が一番引いた時間帯、通常は、水面下に隠れていた磯の部分の様々なサイズの石コロが顔を出す。その石コロには、ノコギリモクなどの海藻がびっしり付いていたりした。  そんな石や岩礁に付いた海藻の隙間から、時々真 […]

シラガイ掘り

僕は、鍬の刃の裏の部分で、潮がかなり引いて現れた干潟部の表面を叩いていた。  今日は、滅多には獲れない「シラガイ」を狙っていた。僕らは、「シラガイ」と呼んでいたが、ネット上で見る限りではあるが、「カガミガイ」が正式名のよ […]

ハマグリ掘り

「ハマグリは浅いところにいるので、刃が三本の備中鍬などを使って砂地の表面を軽く傷がつくように掘り、カチッと音がしたらそこにいる」  父はいつもそのハマグリ掘りの要領を僕に教えていた。その方法を何度か試したが、僕の子供の頃 […]

アサリ掘り

長靴を通して感じられる水が冷たかった。鍬で川底の砂を掘ると、薄茶色に水が濁った。しかし、あっという間に水は澄んで、掘った跡の川底や掘った砂をこずんだ部分も見えてきた。 「あっ! おった」  しっかり口を閉ざし、貝殻の表面 […]

ツワブキ採り

「あっ! 出ている」  3月になるころには、ツワブキの新芽が出てくる。日当たりの良い場所では、もっと早い時期に出てくるところもあったと思う。  ツワブキの新芽採りは、主におばさん達がやっていた。男の大人がやっていた記憶は […]

目を釣った事件

 僕は、近所の友達数人とタブでボラ釣りをしていた。シマミミズを付けた釣り針にウキの調整用の錘とウキゴムに挿した棒ウキの仕掛け。それをテグスで竹竿に付け、思い切り遠くまで飛ばすというものだった。未だリールは使われていなかっ […]

罠掛け

 さあ、次の罠の近くだ。昨日から冷え込んで珍しく雪がうっすら積もっていた。こんな天気だったら、鳥たちは罠に仕掛けた餌をきっと啄もうとするはずだ。しかし、さっきの4番目の罠までは仕掛けは動いていなかった。今日も難しいかなと […]

トリモチづくりとメジロ獲り

「——やっぱり口で噛むしかない」  僕は、石で叩いて細かくしてきたトリモチの屑の固まったものを思い切って口に含んだ。特別に嫌なにおいや味はしなかったのでほっとした。そいつを何度も噛んで吐き出した。そして、また、石でさらに […]

チヌ釣りとおりきしゃん

 また、おりきしゃんがチヌを釣っている。おりきしゃんの家はダブのそばに建っており、家の直ぐ横から魚釣りができるのであった。タブでは、ボラやハゼ、雨が降った時はウナギもよく釣れるが、格上の魚はチヌだった。ボラは美味しくない […]

キスゴの立ち込み釣り

 さっきまで顔を照り付けていた日差しが無くなっていた。潮も満ちてきて海水面が胸近くまできていた。もう少しすると暗くなってくる。首から下げていた餌かご——と言ってもカラの缶詰カンに紐を通し胸から下げたものであるが——の中の […]

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